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ニュースリリース2024/08/0520フィートロッド対応クローラドリル『HCR L100-L5』を販売開始
~孔曲がりが少なく、効率の高い大径長尺ロッドに対応~
古河ロックドリル株式会社は、このほど、中・大規模鉱山向けに油圧クローラドリル『HCR L100-L5』の販売を開始しました。孔曲がりが少なく、効率の高い20フィート大径ロッドにより、中・大規模鉱山での長孔せん孔を効率化します。
図1 油圧クローラドリル『HCR L100-L5』 ※写真は大型サクションキャップ装備機
油圧クローラドリル『HCR L100-L5』
近年の資材価格の高騰、人材の不足と残業時間の規制などにより、社会インフラに使われる資材を供給する鉱山においても、業務の効率化が求められております。岩石を破砕するには発破することが最も効率的ですが、中・大型鉱山では、原石を大量に効率良く起才できるよう、発破用に孔径の大きい長孔をせん孔します。その場合、せん孔ロッドを何本も継がなければなりませんが、長尺な20フィート(6.1m)ロッドを用いれば、通常の12フィートロッド(3.66m)に比べて、ロッドを継ぎ足し/回収する回数を減らすことができます。古河ロックドリルは、需要に応えるまえ、20フィートロッド対応型油圧クローラドリル「HCR1800-D20Ⅱ」を販売してまいりましたが、このほど、後継機種として、オフロード法(排出ガス規制) 2014年基準の対応エンジンを搭載した油圧クローラドリル「HCR L100-L5」を発売致しました。
『HCR L100-L5』の特徴
本機は、20フィートロッドで長孔をせん孔し易いように、下記のような特徴を有しています。
①ローテータ&サブセントラライザ付きロッドチェンジャ
長尺で重い20フィートロッドを、コントロールレバーを操作するだけでセンターイン/アウトできます。
図2 ロッドチェンジャ操作レバー
ローテータ装備なので、ロッド回収時に、確実にロッドのネジを緩めることができます。また、長尺ロッドがせん孔中にたわまないように、サブセントラライザでロッド中間部を保持して、孔曲がりを防止します。
図3 ロッドチェンジャ・ローテータ・サブセントラライザ
図3-1 サブセントラライザ
図3ー2 ロッドチェンジャ・キャリアR
②HD828 油圧ドリフタ
高出力なHD828ドリフタは、長孔せん孔において、せん孔効率の低下が少ない、打撃数の高い油圧ドリフタです。軽量バルブにコントロールされて、打撃ピストンが高速でストロークします。長孔せん孔では、様々な地層に当たる可能性がありますが、インテリジェント・ドリリング・デバイス(IDS)に制御されたドリフタは、自動的に最適な作動油圧、フィード速度により、孔曲がりやジャミング(※1)を回避しながら、長孔をせん孔できます。RPデバイス(オプション)装備であれば、粘土層にてジャミングを起こして、ロッドが抜けなくなっても、力強く引き抜くことができます。デュアルダンパ装備なので、打撃力が高いにもかかわらず、空打ち(※2)によるロッドなどの消耗を抑制できます。
図4 HD828 油圧ドリフタ
※1 岩石が安定しない破砕帯等により、せん孔中にビット(ドリル先端部)が地中でとられ、せん孔が進まなくなる現象
※2ビットが岩盤に押付けられていない状態での打撃。ロッドをつなぐネジ部が摩擦により発熱し、折損に到る
③環境にやさしいクリーンでパワフルなエンジン
窒素酸化物(NOx)を低減する尿素SCR システムと、一酸化炭素、炭化水素、粒子状物質(PM)を低減・除去するディーゼル酸化触媒(DOC)およびディーゼル・パーティキュレート・フィルタ(DPF)を装備して、国内の特定特殊自動車 排出ガス規制(オフロード法2014年基準)とともに米国EPA Tier 4 Final、およびEU StageⅤをクリアした、ターボチャージャ/インタークーラ付きのパワフルなディーゼルエンジンを搭載します。
図5 ディーゼルエンジン
主要諸元
モデル名称 | HCR L100-L5 |
搭載ドリフタ | HD828 |
打撃数 | 2,700 ~ 3,300 min-1 |
エンジン | CAT C9.3B(国内 オフロード法2014年基準 / 米国EPA Tier 4 Final / EU Stage V 適合) 280 kW/2,200 min-1 |
コンプレッサ | 13.5 m3/min, 1.03 MPa |
ロッドサイズ | 51R, 6,100mm |
ロッドチェンジャ 格納本数 | 4 |
せん孔径 | Φ89 ~ 127mm |